山口県宇部市周辺の御朱印めぐり④ ~恒石八幡宮・浄名寺~

  • 2018年5月30日
  • 740Views
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
山口県宇部市周辺の御朱印めぐり④ ~恒石八幡宮・浄名寺~

今回は宇部市北部、厚東地区で御朱印めぐりです。霜降山を拠点に宇部周辺を治めていた厚東氏が本拠地としていた場所なので、厚東氏ゆかりの神社やお寺がありました。

恒石八幡宮

厚東氏が創建した最古の神社

恒石八幡宮

恒石八幡宮は厚東氏が創建した最古の神社であるそうです。

「恒石八幡宮の歴史」(出典:厚東郷土史研究会/沖 金吾氏 昭和62年1月1日)という社殿に設置されていたパンフレットによると、厚東氏第2代の厚東武基によって、おそらく970年頃(平安時代)に創建されたのではないかと推測されるそうです。歴代の厚東氏当主の中で、特に有名なのが第14代の厚東武実(生年不詳-1348年)で、後に室町幕府の始祖となる足利尊氏(1305年-1358年)とも関わりの深い人物であったようです。

厚東氏が大内氏に攻められて、霜降山にあった城が落城した日が1358年(北朝:延文3年/南朝:正平13年)の1月2日だったということで、恒石八幡宮では、お正月の2日までは太鼓を叩くことを止め、厚東氏に哀悼の意を表していると記されていました。

その後、厚東氏は歴史の表舞台に登場しなくなり、大内氏の時代を経て、毛利氏の時代へと時代は変わっていきましたが、現代でも、厚東川、厚東大橋、厚東川ダムなど、厚東という名前が付いており、やはり宇部の町は厚東氏ととても関わりの深い土地なのだということを改めて気づかされます。

毎年10月の最終日曜日は秋祭り

恒石八幡宮2

訪れたその日は、秋のお祭りの当日でした。しかしながら、この日は台風の影響で朝からあいにくの雨でした。日中は少し晴れ間も見えてはいたのですが、御神輿は雨に濡れると、乾かすのが大変なのだそうです。そのため、お祭りは中止になりました。お社にお参りしたところ、氏子の方々から餅まき用のお餅を頂きました。突然来た者に、皆さんとても親切にしてくださり、お祭りのことについて色々とお話を聞かせて頂くことができました。御朱印はされていないということで、頂くことはできませんでしたが、境内は広々としていて趣があり、由緒ある素敵な神社でした。

毎年10月の最終日曜日に秋祭りがあるそうです。御神輿や演芸、餅まきなど、様々な催しが行われます。地域の人々はもとより、他の地域から訪れる方も一緒に楽しめるお祭りなのだそうです。今年は晴れるといいですね。

恒石八幡宮3

名称恒石八幡宮
所在地山口県宇部市大字棚井147番地 地図を見る
電話番号0836-62-0571

浄名寺

厚東武実ゆかりのお寺

浄名寺

浄名寺は、宇部を治めていた厚東氏の第14代・厚東武実(生年不詳-1348年)ゆかりのお寺です。

厚東氏の当主が日常暮らしていた「御東館(おひがしやかた)」という場所の近くに、祈願所として1320年(元応2年/鎌倉時代末期)に建立されたのが始まりなのだそうです。

厚東武実と同時代に生きていたのは後醍醐天皇(1288年-1339年)や足利尊氏(1305年-1358年)などで、ちょうどその頃は、鎌倉幕府の権力が衰退している頃になります。権力の中枢の座を巡って、後醍醐天皇や鎌倉幕府の北条氏、また足利尊氏など幕府側の武士の思惑などが交錯する激動の時代だったと思われます。のちに南北朝時代と言われていますが、厚東武実はこの乱世の時代に、足利尊氏の北朝側に味方し、後醍醐天皇側の南朝の軍と戦っていたそうです。彼が生きている間、戦いは絶えなかったようですが、ついに大阪(河内)の方まで戦(四条畷の戦い)に行っていた厚東武実は病気になってしまい、1348年11月9日に京都で亡くなりました。

真言律宗から浄土宗のお寺へ

浄名寺は創建された当初は、奈良の西大寺に属する真言律宗のお寺でした。この時代の少し前の時代に、元寇(1度目:文永の役1274年・2度目:弘安の役1281年)があったのですが、この頃に鎮護国家の宗教として真言律宗が西日本を中心に流行したのだそうです。

時の領主が厚東氏から大内氏、毛利氏と変遷しても、お寺は加護され大事にされていたそうですが、1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦い以後、毛利氏の加護が絶えて、お寺は衰微していったそうです。

そして1624年(寛永元年/江戸時代)に真言律宗から現在の浄土宗へと改宗されました。

現在の本堂は、1880年(明治13年)に再建されたものだそうです。

浄名寺の御朱印

浄名寺の御朱印

頂いた御朱印には「如意輪観世音菩薩」とあります。

11月9日に毎年御開帳 如意輪観世音菩薩

如意輪観世音菩薩

こちらのお堂には、如意輪観世音菩薩像が安置されています。

仏像は南北朝時代の慶派の仏師・康誉(こうよ)の作と言われています。お寺でお写真を見せて頂いたのですが、とても穏やかな表情の観音様でした。

同じ仏師作の如意輪観世音菩薩像が九州の大興善寺(福岡県北九州市)というお寺にあるそうで、その仏師が九州に赴く途中に浄名寺に立ち寄られ、こちらの仏像を作られたというお話でした。

普段は見ることができない仏像なのですが、厚東武実の命日にあたる11月9日に毎年御開帳されているので、その日にお寺をお参りすると、お姿を拝見することができるそうですよ。

馬とエンコの塚

馬とエンコの塚

お寺の門前の左右両脇に石の塚があります。これらは馬の塚とエンコの塚と言い伝えられているものだそうです。左の写真が馬の塚です。そして、右の写真がエンコの塚。

エンコというのは河童(カッパ)のことなのだそうです。

厚東川

この地区の側には厚東川という河川が流れているのですが、その川で水浴び?をしていた馬に悪さをしようとした河童を馬が引きずって、浄名寺のお寺の門前まで連れて来たのだとか。そして、河童は和尚様に悪さをしないようにと言われて、このお寺の門前に祀られることになったそうです。この塚に苔が沢山生えてくると、また河童が悪さをすると言われているので、苔を生やさないようにしなくては…ということでした。

浄名寺ではイベントも開催

現在、こちらのお寺では、お茶会や着物の着付教室、三味線教室、フラメンコのレッスンなどを定期的に開かれていらっしゃいます。また、夏には盆ちょうちん祭りを開催し、盆提灯約250基に灯をともすとともに、お寺を開放し、コンサートやクラフト作家さんの作品展示・販売を行われる予定だそうです。詳しい情報は浄名寺さんのFacebookがありますので、そちらでチェックしてみてくださいね。

浄名寺のイベント

名称浄名寺
所在地山口県宇部市棚井558 地図を見る
電話番号0836-41-6883
Facebookhttps://ja-jp.facebook.com/jyomyoji/

御東館の跡地

お寺の近くに、厚東氏が代々居住していた「御東館」の跡が、今も残っているとのことだったので、その場所を訪れてみました。浄名寺の駐車場からすぐの脇道に入ります。

御東館の跡地までの経路01

路地を入って少し歩くと、史跡の標榜があります。

御東館の跡地までの経路02

その場所を少し進んでいくと、左側に小高い広々とした空間が広がります。ここが、かつて厚東氏が住んでいたお館の跡なのだそうです。今は畑として利用されているようです。

御東館の跡地

お立ち寄りスポット♪ 豆汰豆蔵

豆汰豆蔵

豆汰豆蔵

かつて厚東氏の山城があった霜降山の麓にある持世寺温泉へ。その温泉地の傍にあるのが、豆汰豆蔵さんです。

手作り豆腐のお店

手作り豆腐の石臼

霜降山の天然水と九州産の大豆を使った、手作り豆腐のお店です。こちらの石臼を使って日々お豆腐が作られています。保存料などを使っていないため、日持ちはあまりしないとのことですが、それは裏を返せば、私たちの体にとても優しいお豆腐ということですよね。

ざる豆腐と木綿豆腐

ざる豆腐と木綿豆腐

店内には、もめん豆腐、きぬ豆腐、ざる豆腐、おぼろ豆腐と作りたてのお豆腐が並べられています。

一番人気は、ざるに入っている「ざる豆腐(¥360)」ということです。自然な甘みとふわっと優しい食感が口いっぱいに広がり、とっても幸せな気分になります。

お店の方のお話によると、一番作るのが難しいのが「もめん豆腐(¥260)」なのだそうです。もめん豆腐の良し悪しが、お店の良し悪しを左右する。だからこそ、もめん豆腐を一度味わって頂きたいとのことでした。もめん豆腐ときぬ豆腐は、作る工程が異なるのだそうです。にがりの濃度や、お豆腐の原料となる大豆の形状などが異なることで出来る食感の違い。これは、どちらも試してみなくては!

毎日の食卓に、お豆腐を取り入れよう!

大豆イメージ

畑のお肉とも言われている大豆。大豆は、肉類のように脂の摂り過ぎを気にする必要がないですし、毎日の食事に、お豆腐を積極的に取り入れていきたいですよね。

豆乳や厚揚げ、おからアンダギーなどの商品

お豆腐の他にも、豆乳や厚揚げ、おからアンダギーなどの商品もあります。また、豆乳のソフトクリームも大人気です!

購入者には、おからのサービスも♡

おからのサービス

お店で商品を購入された方に、おからをサービスされているそうです。「このおからが美味しくて…」と、お買い物に来られたお客様は、おからも一緒にお持ち帰りされていました。

店名豆汰豆蔵
所在地山口県宇部市吉見持世寺2925 地図を見る
電話番号0836-62-1102
営業時間10:30~18:00
店休日毎週水曜日

おわりに

今回訪れた場所以外にも、厚東氏の菩提寺である東隆寺(臨済宗)というお寺もありましたが、今回御朱印を頂けたのは、浄名寺だけでした。

御朱印が頂けなくても、こののどかな風景の中に厚東氏の足跡をたどるのも、歴史に興味がある方にはおすすめです。

参考文献
・『宇部ふるさと歴史散歩』黒木 甫/著(発行:宇部時報社/1994年)
・『うべ歴史発見』(発行:株式会社 宇部時報社/2002年)
・『うべ歴史読本』堀 雅昭/著   脇 和也/監修(発行:NPO法人うべ未来プロジェクト/2011年)

 

この記事は、当ブログ運営スタッフの実体験をもとに作成されています。情報の鮮度・有用性・確実性については保証していません、記事内容の実施はご自身の判断と責任のもとにご利用ください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いたヒト

ジモチラマガジン寄稿者

記事の寄稿を受け付けるアカウント

MENU

ABOUT